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R指定は……無ければいいなー…(ぇ
《ジェイド視点》
愛なんて知らなかった。それ以前に、感情なんてものを私は持ち合わせていなかった。
私に感情をくれたのは誰? 私に愛をくれたのは誰?
それはルーク? ガイ? 陛下? ネビリム先生? いや、違う。
それは――。
You gave me love.
「……何故」
(何故私がサフィールの世話を……)
そんな疑問と陛下への恨みを募らせ、サフィールの夜食が載せられたお盆を両手で持って牢獄への階段を降りる。
現在サフィールは新しい研究を始めているらしい。そのため、夜食を持っていくよう陛下に言いつけられたのだ。
(全く、あの人は何かにつけて勅命を言い渡して……困ったものだ)
時は1時間前に遡る。
執務室で書類の山と奮闘していたときのことだ。
またあの馬鹿陛下が勝手に掘った穴から執務室に侵入してきた。
◆ ◆
「よぉジェイド」
「……」
つい口元がひくひくと釣り上がる。
今回はいつも以上に蜘蛛の巣がぴったりと張り付いていたのだ。
「……貴方もいい加減皇帝としての自覚を持ったらどうですか?」
「何を言う。俺は皇帝だ、ほら自覚があるじゃないか」
それは違う、と陛下の言葉を一刀両断して聞きなおす。
「それで、今回はどういったご用件でしょうか?」
「ああ、そうだった。今日から一週間、サフィールの世話をしろ」
「…………は?」
「皇帝勅命だ。拒否権は無いぞ」
◆ ◆
そういうわけで今に至る。
階段を降りきった所で、サフィールの牢屋だけ明かりがついていてよく分かる。
他の囚人達は今が深夜ということもあってか、すでに眠りについているようだ。
囚人達を起こさないようになるべく足音を立てずにサフィールの牢屋の前まで行く。
「……サフィール、夜食を持ってきましたよ」
「有難う御座います。そこに置いておいてください」
彼は私のほうを全く見ずに返事をした。
久々に会ったというのに、きっと私だと気付いていないのだろう。
……本当に熱心に研究を進めているようだ。
フォミクリーの研究を続けて投獄されたときにはどうなる事かと思ったがちゃんとできているみたいだ。
とりあえず陛下が持たせてくれた牢屋の鍵をポケットから取り出し、鍵穴に挿して回す。
扉を開けて牢屋の中に入ってサフィールの後ろにしゃがみこんだ。
それから夜食を床に置き、両腕を彼のか細い身体に回して、耳に息を吹きかける。
「ひゃ……っ!?」
「私だと気付かないとは……酷いですねぇ」
ぎゅっと彼を抱きしめて耳元で囁いた。
顔を赤らめて慌てた様子を間近で見るのが何とも言えないくらいに――面白い。
「ジェイドッ!? 何故貴方が此処に……っ!? それと――」
身体が、と言いかけた彼の口を自身の口で塞いだ。
「……ジェイッ……ふぁっ!? ……ん、ぅ……っ」
私の名前を呼ぶため、開けた口に素早く下を滑り込ませてサフィールの下と絡める。
くちゅ、と唾液の混ざる音がした。
久々にサフィールを充分に味わって、その口を離す。
「っはぁ……なんっ……で……」
つい長い間してしまったため、サフィールの呼吸が随分と荒くなっていた。
「すみませんね。久しぶりだったもので……つい❤」
「『つい❤』じゃありませんよ! 何で貴方が此処にいるんですか!?」
顔をさらに真っ赤にして、口から垂れる唾液――私達のどちらのものかは定かではないが――を袖で拭い大声で返答を迫る。
「あまり大声を出してはほかの囚人達が起きてしまうでしょう? 静かになさい。
それと……私は陛下の勅命で一週間貴方の世話を言い渡されたんですよ。
と、いうわけで夜食を持ってきました」
にこ、と笑んで夜食のおかゆを息を吹きかけて冷ましてからサフィールの開いた口へと運ぶ。
「んっ!? ちょっ……ジェイド! 私は病人じゃないんですから自分で食べられます!」
「おや、残念ですねぇ。私がせっかくふーふーしてあーんしてあげると言うのに……」
「なっ……え、あ、うー……」
少し困ったように声を漏らす姿があまりに可愛すぎて――ついこっちまで顔が赤くなる。
(……今回だけは、陛下に感謝するとしましょうか)
おかゆを蓮華ですくい、息を吹きかけた。
「はい、あーん❤」
「……う……」
渋りながらも、サフィールは口を開けた。
その口の近くまで蓮華を運び、それからすぐに自分の口へと入れた。
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2008/1/4 琉嘉
落ちてないですね、えぇ、分かってますとも!
ただ、大佐がこんなことしてくれたら嬉しいと思います。。本気で。。。