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ジェイガイです。
「旦那、頼みがあるんだ」
「……何ですか?」
ベッドに横になっている彼の身体の上に覆いかぶさるように乗ると、彼は短く返事をして本に向けていた眼をこちらに向けた。
「大体の予想はつきますが、ね」
「だったら話は早い! その眼鏡を――」
「駄目です」
彼――ジェイドはにっこりと微笑んで、ジェイドの掛けた眼鏡に伸ばした手を軽く払う。
「む……」
「……そんなに気になるんですか? この眼鏡が」
「いや――気にならない、気にならないぞ――」
そう言いつつも、身体は正直な様で再び手を眼鏡に伸ばしたところをジェイドに掴まれた。
「気になるんじゃないですか――。どうしてそこまで固執するんです?」
「そこに譜業があるからさ!」
「…………予想通りの答えを有難う御座います」
はぁ、と溜息をつきながらもジェイドは掴んだ手を離そうとはしなかった。
特に力は入っていないので痛いわけじゃないが――多少の不自由はある。
それに今はジェイドに馬乗りの形となっているので、ここで誰かが入ってきたら誤解をされかねない。
「……分かった。今日は諦めるからその手を離してくれないか?」
「何故です?」
「何故って――決まってるだろ、こんなところ誰かに見られたら誤解されかねないぞ」
「大丈夫ですよ。この時間はすでに皆眠りについているところですしね」
言って、手を思い切り引いて――俺の身体を抱き寄せた。
「……………………は?」
「何がは? なんですか……どうしたんです、恥ずかしいとでも言うんですか?」
「いや――いやいやいや、おい、旦那」
「何です」
「少し状況を理解する時間をくれ」
何で俺は今ジェイドに抱きしめられているんだ?
真横に旦那の顔があって――いつもとは少し違うような笑みを浮かべつつ俺の眼を見て――。
「まだ理解できませんか? 鈍感ですね――」
瞬間、俺と旦那の位置が逆転していた。
「ちょ……旦那……!?」
「逃がしませんよ? 私のものになりなさい」
俺の上でにっこりと微笑むと――口付けをする。
唇を長い舌でなぞり、それから緩んで半開きになった口内へと舌を入れられた。
「ふ……んん……っ! ジェ、イ……やめ……ん……っ!」
そんなつもりはないのに――つい声が漏れる。
暫く俺の口内で舌を遊ばせて、唇を離した。
唾液が細い糸となって繋がっている――それが自分とジェイドのものが混ざっていると思うと、恥ずかしさが込み上げてくる。
「貴方は女性恐怖症なんでしょう――だったら、男のほうが良いんじゃないですか」
「何、言ってるんだ……? 意味が分からないぞ……どうして、こんなこと――」
途切れ途切れに、発音されているかも分からないほどの声で異論を唱えるが、ジェイドは全く動じていないようだった。
「全く――私にこんなことを言わせる気ですか? 思わず賞賛の拍手を送りたくなる」
言って、ジェイドは耳元で囁いた。
「貴方が好きだ――と言っているんですよ」
「あぁ、そうか――って、はぁ!?」
「やれやれ……これまた予想通りですね――駄目ですか?」
俺の上から降り、横に転がると年齢には似使わない可愛らしい仕草をとった。
「だ……」
「……だ?」
「駄目じゃないような気がしてきた」
ああ――あの仕草にやられた俺は、駄目人間だろうか。
「だから眼鏡を――」
「それは駄目ですよ」
言って、また俺に口付けた。
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2008/3/31 琉嘉
意 味 が 分 か ら な い 。
ガイは駄目人間です。
結局は眼鏡が欲しいんです。
眼鏡は欲しいけどジェイドのことも結構好きなんです。